自分勝手な男を好きなった女

1人暮らしの彼が、風邪をひいて寝込んでいるという。
お粥などをつくりに駆けつけるべきかと、「お見舞いに行こうか?」と尋ねた。
しかし彼は「うつしたら悪いから、来なくてもいい」の一点張り。

ちょうど学校の試験期間だったこともあり、私にうつさないよう気を使っているのだなと、ありがたく彼の心遣いを受け取り、試験勉強に励んだ。

その一週間後、憤懣やるかたない様子で彼が電話をかけてきた。
どうやら本当にお見舞いに行かなかった私に腹を立てているようだ。
あの、でも「来なくていい」って言いませんでしたか?

彼曰く、それでも駆けつけるのが彼女であろうと。
彼の言葉を額面通りに受け取った私は、冷たい女のそしりを受けてふられたのだった。

怒りが収まらない彼は、1週間いかに自分が苦しかったか、玄関のチャイムが鳴ったので、私が来てくれたのかと出てみたら宅配便だったとか、延々と文句を言っていた。

恋人のあるべき態度は、「断られても見舞いに駆けつける」なのだと学び、私にはできそうもないし、したくもないな、と思った一件だった。

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